錆対策 乾燥剤(シリカゲル)使用量

乾燥剤使用量についての簡単なまとめです。

・電子機器部品の腐食・防食Q&A 第2版

 梱包内の空気に含まれる水分量の5倍以上のシリカゲルを入れておけば相対湿度50%以下に維持される。 

・日本産業規格 JIS Z 0303:2009「錆止め包装方法通則」

 乾燥剤使用量(W)計算式
 W=K1×A×R×M+K×D


  W:使用する乾燥剤の量(kg)
※JIS Z 0701 のA型1種に規定するもの。
  A:防湿材の湿度透過面積(m2
   ※梱包する袋や容器の面積
  R:防湿材の水蒸気透湿度(透湿度)〔g/(m2・d)〕
   ※梱包する袋、容器の面積・1日毎の湿度透過量
  M:期間(月)
   ※梱包期間
  D:使用した緩衝材の質量(kg)
   ※緩衝材を使用しない場合は0Kg
  K1:温度及び湿度に関する係数 (表1参照)
  K2:緩衝材の種類に関する係数 (表2参照)

表1-温度及び湿度に関する係数K1

表2-緩衝材の種類に関する係数K2

参考

表4-防湿材の透湿度 福岡,高橋:防蝕技術,10巻9号P396(1961)

表5 梱包用プラスチックフィル性能表 防錆技術協会:防錆技術,初版,P188~189(1968)

※透湿度厚さ3/100mmに換算した。

・防衛庁規格 NDS Z 009B 防せい包装 ※2010/4/19廃止

表6:NSDにおける防湿のレベル

・レベルAの場合

 防湿バリヤ材による場合

 U=17A + X・D

 金属容器による場合

 U=42V + X・D

 U:乾燥剤の使用量(ユニット数)・・・・1ユニットは30g
 A:防湿バリヤ材の湿気透過面積/m2
 V:金属容器の内容積/m3
 D:包装内部の吸湿性材料(緩衝材、詰め物などを含む)の量/kg
 X:吸湿材料に関する係数

表7:係数Xの一覧

・レベルBの場合

 W=A・R・M/30 + D/2

・レベルCの場合

 W=A・R・M/60 + D/2

 W:乾燥剤の必要量/kg
 A:防湿包装容器の表面積/m2
 R:防湿バリヤ材の透湿度/g・m-2・d-1  (d=24h)
 M:期間/月   (月=720h)
 D:包装内部の吸湿材料(緩衝材詰め物などを含む)の量/kg

・MIL-P-116H”Presevation-packaging method”

公式Ⅰ 剛性全金属型密閉コンテナを除くコンテナ内で使用する乾燥剤のユニット1)

 U=CA+X1D+X2D+X3D+X4D

公式Ⅱ 剛性全金属型密封コンテナ内で使用する乾燥剤のユニット1)

 U=KV+X1D+X2D+X3DX4D

 U=使用乾燥剤のユニット数 
  ※MIL-D-3464に規定のもの
   ①吸湿材の単位(Unit)は温度25℃、相対湿度20%で3g、40%で6gの水を吸収できる量
   ②この単位はシリカゲルの重量によって決められ、そして50g以下に制限される。
  1ユニットは、単純換算で約28~30g2)
  1ユニットは25gぐらいが適当であり、いかなる場合でも、50g以上は不可である。少量を広く
  配置するということが効果的だからである3)
 C=遮断剤が平方インチで与えられるとき0.011
 C=遮断材面積が平方フィートで与えられるとき1.6
 A=コンテナ面積平方(インチまたは平方フィート)
 K=容積が立法インチで与えられるとき0.0007
 K=容積が立法フィートで与えられるとき1.2
 V=コンテナ内部容積(立法インチまたは立法フィート)
 X1=セルロース材(木材も含む)以下の分類に入らないその他の材質で8
 X2=結合繊維(合成繊維またはゴムと結合した繊維)で3.6
 X3=ガラス繊維で2
 X4=合成フォームラバーおよびゴムで5
 D=荷敷材の重量(ポンド)

上記式のポンドをキログラム、インチまたはフィートをメートルに換算すると以下のようになる2)。   

公式Ⅰ:U=CA+X1D+X2D+X3D+X4D

公式Ⅱ:U=KV+X1D+X2D+X3D+X4D

 U=使用乾燥剤のユニット数 
  ※MIL-D-3464に規定のもの
   ①吸湿材の単位(Unit)は温度25℃、相対湿度20%で3g、40%で6gの水を吸収できる量
   ②この単位はシリカゲルの重量によって決められ、そして50g以下に制限される。
  1ユニットは、単純換算で約28~30g2)
  1ユニットは25gぐらいが適当であり、いかなる場合でも、50g以上は不可である。少量を広く
  配置するということが効果的だからである3)。 
 C=遮断材面積が平方メートルで与えらえるとき17
 A=コンテナ面積平方メートル
 K=容積が立法メートルで与えられる時42
 V=コンテナ内部容積立法メートル
 X1=セルロース材(木材も含む)以下の分類に入らないその他の材質で16
 X2=結合繊維(合成繊維またはゴムと結合した繊維)で12
 X3=ガラス繊維で4
 X4=合成フォームラバーおよびゴムで1
 D=荷敷材の重量キログラム

参考文献
1)インタープレス対訳センター 編・訳. 防錆メソッド : MIL-P-116H, インタープレス,P18-1~19-1 1985.8, (対訳海外規格シリーズ ; 16)
2)さびを防ぐ事典編集委員会 編『さびを防ぐ事典 : 防錆防食事典』,産業調査会出版部,P217,1981.4
3)菅沼豊 著. 防錆包装技術便覧 : 防錆処理と個装の諸方式, CPC研究所,P192~194, 1971

コメント

タイトルとURLをコピーしました