錆の原因と対策 酸素・水分・腐敗ガス吸収剤

RPシステムとは

 RP剤(腐食要因となる酸素、水分、腐食性ガスを吸収する金属酸化防止剤)を金属製品と共にハイガスバリヤ袋(腐食要因となる酸素、水分、腐食性ガスを透過しにくい梱包材料)に入れてシーラーで密封する梱包方法です。密封後袋内の相対湿度、酸素、腐食性ガスを除去してその状態を保ち金属酸化を防ぐ梱包です。

RP剤による腐食要因吸収と使用量の目安

 1.RP剤による腐食要因吸収後の雰囲気
  相対湿度 :数時間で10%以下にする
  酸素   :1日以内に0.1%以下にする
  腐食性ガス:硫化水素、塩化水素、亜硫酸ガスやアンモニアなどの腐食性ガスを
        数時間に1ppm以下にする

 2.RP剤使用量目安
  PR剤には以下の4種類があり、それぞれ梱包する袋の空気量に対応している。

RP剤のおおよその使用量の目安は以下の通りです。

ハイガスバリヤ袋の種類と保管期間の目安

ハイガスバリヤ袋ごとの保管期間の目安は以下のとおりです。

種類透明保証期間目安
アルミ袋×10年
エスカル®ネオ3年
PTS袋1年

※ナイロン、ポリエチレン等普通の袋では腐食要因となる酸素、水分、腐食性ガスが透過して
 密封性を保てないため上記ハイガスバリヤ袋を使用すること。

酸素インジケーターによるRP剤と密封の確認

 透明な袋での梱包時に、酸素濃度が0.1%以下になるとピンク色になる酸素インジケーターを入れて梱包後の袋内酸素濃度を見えるかできる。このインジケーターの色の変化で密封されているか、PR剤が働いているか、RP剤の量は適切か確認できる。

 ※繰り返し使用不可
  長期間の酸素濃度を見るものではなく、あくまでも梱包設計の確認用

シーラーによる密封

 気密性を保つため、シーラーを使用して密封をすること。
 シール部に異物を挟まないように、しわができないようにして密封をする。
 シール後、シール部を引っ張って剝がれなければOK。

金属での使用例

 ・補修用電子部品の保管
 ・銅箔、銅コイル、ベリリウム銅線、銀銅合金、タングステン銅合金剤の錆変色防止
 ・銀、銀メッキ製品の硫化による腐食、変色防止
 ・出土した金属器の保存

金属以外での使用例

 ・ゴムの酸化防止(引っ張り弾性率の上昇防止 引っ張り伸び率の低下防止)
 ・樹脂の吸湿変色防止
 ・光学ガラスのくもり、ヤケ防止

参考文献
 包装技術 32(10)(378), 日本包装技術協会,P34~P37(1994)
 電子材料 35(9), 工業調査会, P77~P78(1996)
 工業用乾燥機能付脱酸素剤「RPシステム®」|脱酸素剤「エージレス®」商品ページ一覧.https://www.mgc.co.jp/special/rpsystem/.(20250720参照)

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