RPシステムとは
RP剤(腐食要因となる酸素、水分、腐食性ガスを吸収する金属酸化防止剤)を金属製品と共にハイガスバリヤ袋(腐食要因となる酸素、水分、腐食性ガスを透過しにくい梱包材料)に入れてシーラーで密封する梱包方法です。密封後袋内の相対湿度、酸素、腐食性ガスを除去してその状態を保ち金属酸化を防ぐ梱包です。 |
RP剤による腐食要因吸収と使用量の目安
1.RP剤による腐食要因吸収後の雰囲気
相対湿度 :数時間で10%以下にする
酸素 :1日以内に0.1%以下にする
腐食性ガス:硫化水素、塩化水素、亜硫酸ガスやアンモニアなどの腐食性ガスを
数時間に1ppm以下にする
2.RP剤使用量目安
PR剤には以下の4種類があり、それぞれ梱包する袋の空気量に対応している。
RP剤 | 対応空気量 |
RP-1AE | 100mℓ |
RP-3AE | 300mℓ |
RP-5AE | 500mℓ |
RP-20AE | 2000mℓ |
RP剤のおおよその使用量の目安は以下の通りです。
袋サイズ(mm) | 概算空気量(mℓ) | RP剤サイズ | 個数 |
180×250 | 300 | RP-3AE | 1 |
220×300 | 500 | RP-5AE | 1 |
250×350 | 800 | RP-5AE | 2 |
350×500 | 1000以上 | RP-20AE | 2以上 |
400×620 | 2000以上 | RP-20AE | 1以上 |
500×600 | 3000 | RP-20AE | 2 |
600×700 | 4000 | RP-20AE | 2 |
800×850 | 6000以上 | RP-20AE | 3以上 |
ハイガスバリヤ袋の種類と保管期間の目安
ハイガスバリヤ袋ごとの保管期間の目安は以下のとおりです。
種類 | 透明 | 保証期間目安 |
アルミ袋 | × | 10年 |
エスカル®ネオ | 〇 | 3年 |
PTS袋 | 〇 | 1年 |
※ナイロン、ポリエチレン等普通の袋では腐食要因となる酸素、水分、腐食性ガスが透過して
密封性を保てないため上記ハイガスバリヤ袋を使用すること。
酸素インジケーターによるRP剤と密封の確認
透明な袋での梱包時に、酸素濃度が0.1%以下になるとピンク色になる酸素インジケーターを入れて梱包後の袋内酸素濃度を見えるかできる。このインジケーターの色の変化で密封されているか、PR剤が働いているか、RP剤の量は適切か確認できる。
※繰り返し使用不可
長期間の酸素濃度を見るものではなく、あくまでも梱包設計の確認用
シーラーによる密封
気密性を保つため、シーラーを使用して密封をすること。
シール部に異物を挟まないように、しわができないようにして密封をする。
シール後、シール部を引っ張って剝がれなければOK。
金属での使用例
・補修用電子部品の保管
・銅箔、銅コイル、ベリリウム銅線、銀銅合金、タングステン銅合金剤の錆変色防止
・銀、銀メッキ製品の硫化による腐食、変色防止
・出土した金属器の保存
金属以外での使用例
・ゴムの酸化防止(引っ張り弾性率の上昇防止 引っ張り伸び率の低下防止)
・樹脂の吸湿変色防止
・光学ガラスのくもり、ヤケ防止
参考文献
包装技術 32(10)(378), 日本包装技術協会,P34~P37(1994)
電子材料 35(9), 工業調査会, P77~P78(1996)
工業用乾燥機能付脱酸素剤「RPシステム®」|脱酸素剤「エージレス®」商品ページ一覧.https://www.mgc.co.jp/special/rpsystem/.(20250720参照)
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