錆の原因と対策(冬場の結露)

冬場の結露による錆発生原因と対策を説明していきます。

冬場の結露による錆発生原因

湿気を含む空気は冷やされることで結露が発生する。結露による水が原因で錆が発生する。

結露発生要因として以下のような物がある。

・発生原因1(梱包空気の冷却)

 空気調整が施されている工場から製品を貯蔵庫に搬入する場合も、製品工場の空気温度が比較的高く調整されているときは、その露点温度よりもある程度高くないと製品と共に持ち込まれる空気が貯蔵庫内で冷却され結露する恐れがある。たとえば、電気用品を作る工場が冬季(乾球)温度20℃、関係湿度55%に調整されているとき貯蔵庫が16℃、35%~50%に保たれているとすれば、工場内の空気が製品の搬入に伴い貯蔵庫で冷却され20℃、55%の空気が16℃、70%となり結露の危険が近づくことになる。1)

・発生原因2(室内空気と冷えた金属の接触)

 冷えた金属と空気が接触すると、接触した空気が冷却される。冷却された空気の温度が下がり、相対湿度が100%となると結露が発生する。この時の温度を露点温度と言う。

 工場の暖房が夜間休止するため、外気温度の低下に伴い湿度が降下し、製品が冷却される。したがって、製品の熱容量が大きい時は翌朝の気温、または外気温度が上昇しても鉄の表面はその時の空気の露点温度以下になる。また、作業場外部から室内露点温度以下の品物を持ち込むなどが考えられる。1)

 身近な例として、外で冷えた眼鏡が室内の空気に触れて曇ることが挙げられる。室内温度24℃、相対湿度40%の空気は9.6℃まで冷却されると結露が発生するため、金属に接触した空気が冷却されて9.6℃を下回ると結露が発生する。
 

冬場の結露による錆対策

 以下の対策で結露を防ぎ、錆を防ぐ。

・対策1 乾燥剤を使用して梱包空気を低湿度に保

 梱包時に乾燥剤を入れて梱包を行う。梱包空気が冷えた時に乾燥剤が吸湿を行い、湿度を保ち結露を防ぐ。

・対策2 製品を露点温度より高くする。

 製品は常に作業場内空気の露点温度よりも2~3℃高く保つことや、湿度調整された室内に搬入する鉄類は、その表面温度が露点温度よりも4~5℃高くなるように曝すか、または、予熱湿(保温湿)を作っておき1~2時間この予熱した後工場に搬入すれば良い。1)

・対策3 冷えた外気中で開封作業を行う。

 冷えた外気中で開封を行えば、金属と接触する外気での温度差がないため結露が発生しない。外気温と同じ温度下で作業を行い結露を防ぐ。

参考文献
 1)日本防錆技術協会 編『防錆技術便覧』,日刊工業新聞社,P173,1958.

 

 

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